オバマ大統領の経済政策は、まったく日本と同じ轍を踏んでいる。
リーマン・ショック後のアメリカは、銀行を3つに集約し、金融緩和を進めてゼロ金利政策を導入した。そしてこれまでに、約8300億ドルの景気刺激策や過去最長の99週間の失業給付などを成立させた。
今年9月には、インフラ整備事業の積み増しや雇用促進のための税制優遇を柱とした約4470億ドルもの新たな景気・雇用対策を打ち出した。
これらの政策は、グローバル経済を推し進めてきたアメリカがケインズ経済に戻ったということに他ならない。
だがケインズ経済学は閉鎖社会でしか通用しない時代遅れの経済学だ。
国境が閉鎖されている場合は、金利を下げれば企業や個人がお金を借り、設備投資や消費をして景気が良くなる。
しかし、21世紀のボーダーレス経済では逆の現象が起きる。つまり、金利を下げたら、お金は高い金利(リターン)を求めて世界に出て行ってしまうのだ。
アメリカの優良企業も無能な政府に見切りをつけて国外に脱出している。
だからアメリカのトップ企業が世界で稼ぐ一方、国内景気は良くならず、雇用もまったく増えていないのだ。このボーダーレス経済の本質を、日本政府もアメリカ政府も未だに理解していない。
世界経済の構図、お金の流れが抜本的に変わったのである。
このままいくと明日の日本に何が待っているかは、非常にはっきりしている。
国債のデフォルト(債務不履行)と、それに続くハイパーインフレだ。
そうなれば、国民の資産である預貯金や年金、生命保険などは紙屑同然となる。
国家が国民の富を奪う方法は税金だけではない。国家の借金を帳消しにする国債のデフォルトもその一つだ。
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