2012年のロシアで起きる最大の変化は、3月の大統領選挙でプーチンが大統領に返り咲くことだ。
昨年12月の国家院(下院)選挙で、不正があったと主張する人々が反プーチンデモや集会を行っているが、その結果「アラブの春」のような激動がロシアで起きる可能性はない。
19世紀ロシアの詩人で外交官だったチュッチェフは、こんな詩を書いた。
知恵でロシアはわからない
一般の物差しでロシアを測ることはできない
ロシアは特別の姿をしている
ただロシアを信じることができるのみ
ロシア人は今でもこの詩を小学校で暗唱させられる。ロシアに西側民主主義の基準は馴染まない。
大統領選挙に関しても、国民の代表を選び出すという発想がロシア人には希薄だ。
複数の大統領候補者が天から降ってくる。
それは「悪い候補者」、「うんと悪い候補者」、「とんでもない候補者」だ。
有権者はそのうち、もっとも国民に危害を与える可能性が少ない候補者に一票を投じる。
プーチンが支持されるのは、それ以外の候補者が役立たずか、あるいは「日本が北方領土を要求するならば、もう一度原爆を落としてやる」という放言を平気でするジリノフスキー自民党党首のような危険な政治家だからだ。
つまり消極的選択としてプーチンを大統領に選ぶのである。
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