PLフィルターのPLは「Polarized Light」の略で、日本語では「偏光フィルター」と呼ばれる。
偏光というのは字のごとく偏った光のことで、解りやすく言えば、照らされている日の光が「自然光」、何かに反射した光が「偏光」だ。
PLフィルターはその偏光を特殊な膜を通過させることで反射光を抑える。
この性質を利用した製品としては他に、ドライバーや釣り人がよく着用している偏光サングラスなどがある。
ちなみに現在販売されているPLフィルターは、正確には「サーキュラーPL(Circular Polarized Light)」フィルターというものがほとんどであり、厳密にはフィルム時代に使われていたPLフィルターとは異なる。
PLフィルターはオートフォーカス(AF)や測光に影響を及ぼすことがあり、AF等に悪影響を防止するよう開発されたのがC-PLで、今では主流となっている。
PLフィルターは2枚のリングが重ね合わされた構造になっていて、フィルターをレンズに装着して固定しても前側のリング(可動回転部分)は回すことができ、これを回すことで偏光を除去する度合いを調整することができる。
大体90度動かすことで0~100%の効果に変わり、それを繰り返し、360度回る。
まず効果として挙げられるのは、青空や木々を濃く、くっきりとしたコントラストの高い色合いで表現すること。
反射光は地面や構造物などに反射して発せられるもの以外に、空気中のチリなどからも発せられており(乱反射や散乱光)それを抑制することでコントラストの効いた、メリハリのある写真を撮ることができる。
使う際には、偏光膜を通している分だけ光の量が少なくなり、シャッタースピード1~2段分ほど遅くなるので、光量が乏しいシーンでは手ブレに気を付ける。
カメラによっては露出アンダーになることもあるので、撮影したら画像を一度は確認して、こちらも調整しておく。
PLフィルターがもっとも効果を発揮するのは晴天下での順光あるいは斜光時と言われているので、屋外での利用に際しては太陽の位置にも気を配りたいところ。
晴天下で最も効果が高いのは、太陽の位置から90度の方向と言われていて、順光と斜光で太陽と90度近辺に最も効果を発揮し、逆光ではPLフィルターの効果は無い。
またワイドレンズを使用して広範囲に空を撮影した場合、太陽光の位置に影響されてPLフィルターの効きにムラができる。
つまり、空が青いところと白っぽいところが発生する。
ワイドレンズを使うときは太陽光の位置や偏光ムラを意識して撮影するとよい。
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