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滞留義援金

義援金

東日本大震災において、「募金はしてみたが、誰がどのように使うのだろう」という素朴な疑問を持つ人は多い。

大まかに言うと、個人や法人、街頭募金などで集められた義援金の多くは、日本赤十字社や中央共同募金会、日本ユニセフ協会などに寄付され、被災地の都道府県が設置した「義援金配分委員会」が配分を決定。
そこから市町村に分配され、被災者に届く仕組みになっている。

しかし、「義援金のほとんどは今だ被災者に渡っていません」と厚労省関係者が小声で打ち明ける。
「6月上旬の段階で日赤と中央共同募金会だけで約2500億円の義援金が集まっているが、実際に被災者に渡ったのは370億円余り。
罹災証明や死亡診断書の発行に時間がかかっているのが遅れの原因」だが、最大の原因は「厳正な公平主義」の適用であるという。

義援金目当ての闇ブローカーが多く、その手口は避難所を回り、地元の言葉を使ってお年寄りを安心させながら「申請しないと義援金を受け取れない。代行してあげる」と口座番号を聞き出すもの。
原発関連の一律支給がある福島県に多く、行政としては本人確認を厳正に行うよりない。

被災者間でも義援金の支給に関してナーバスな感情が充満している。
まだ震災から間もない4月頃に、仮設住宅に入った人間だけに現金ではなく家電器具を支給したところ、不公平ではないかとものすごい苦情が殺到し、通常の業務が不能になった。
少しでも不公平感を喚起すればたちまち批判を浴びるため、義援金の送金は慎重にならざるを得ない。

これも震災の2次災害か?

 

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