今この瞬間の輝きを

保守

田園風景

田舎に行けば、昔とほとんど変わらない野山や小川、田んぼや畑の美しい風景がまだまだ広がっている。それは、英霊たちの故郷の人々、その子孫たちが堂々と守ってきたものなのだ。
ところが今、無残に、野蛮に、破壊されている!原発事故によって!

計画的避難地域に指定された飯館村。この村は大部分が福島第一原発から30キロ圏外。
「原発マネー」の恩恵は何も受けていない。

かつては度々冷害に悩まされる過酷な土地だったが、長い年月をかけ風土を生かした農作物を作り、品種改良を重ねて和牛をブランドに育て、自力で豊かな暮らしを築いてきたのだ。
それが突然、補償も避難先も提示されないまま、全村避難の方針だけが伝えられる。

自然の恵みを生かし、土と共に生きてきた農業がすべてダメになり、泣いている婦人がいる。
25年間、勾配を重ねて作り上げ、自分の名前から一文字だけ取った名前を付けて「家族と同じ」と可愛がっていた母牛を泣く泣く手放し、廃業していった畜産農家がいる。
最後になるかもしれない祭りで、「先祖代々これまでしてきたんだぞ。離れるなんて悔しくてしょうがない」
「昔っから何代続いた土地を、これダメになっちゃうんだべ」
「オラは行ぎたくねえ。ここで死ぬ。先祖様、みんな居んだぞ」・・・そう言った老人がいる。

93歳から10歳まで、4世代同居の家族がいた。
その家は5代続く農家で、13歳の子は将来後を継ぐつもりでいた。
大衆化されていない「庶民」そのもの。
日本の伝統を守る「保守」とは、こういう人々のことを言うのだ。

しかし、子供とその親は非難することになり、家族は引き裂かれた。
今後は美しい村のどこかに、谷を一つ埋めるような巨大なコンクリートの施設を作り、放射能に汚染された樹木や土壌を貯蔵することになるらしい。

人の入らない土地はあっという間に荒れ果てる。
一度荒れた畑を元に戻すには、何年もかかる。
そして、何年経ったら村に戻れるのか、見通しは一切ない。

半日外にいれば1年分の限界被ばく線量を浴びることになるぐらいこの村の汚染度は高い。今も村人の代表が放射線量の測定を定期的に行っているが、まったく減る様子がない。
帰れない見通しの方が強いのではないか?

ここまで人の暮らしを、絆を、環境を、歴史を、根こそぎ破壊してしまったのだ。
言うまでもなく、これは飯館村だけの話ではない。

これでもまだ原発推進などと言い張れるのか?

 

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