暴力団関係者の間で、改姓改名が増えている。
警察など捜査当局、国税・証券取引等監視委員会など調査当局の捕捉を避けるためである。それも、姓は「鈴木」「佐藤」、名は「一郎」「正」のような数の多い平凡なものを選ぶ。
ネット検索の”網”にかからないようにするのだ。
「暴力団排除条例」により暴力団員と「密接交際者」、と認定された周辺者は一般市民としての生活を営むことができなくなった。この認定を避けるために、あらゆる手法が用いられている。
つまり、進行しているのはマフィア化である。
10年後には、現在約8万人の暴力団員と準構成員は急減、1万人以下になると予想されている。
数字の上ではヤクザは減っていく。
しかし、それが「望ましい社会」とは言えないのかもしれない。
厳しい締め付けは、すでに暴力団員と認定されない周辺者の増加という結果を招いている。認定されない「周辺者」は、これからますます怪しい技術に磨きをかけ、企業運営者や資産家を誘い込む。「認定」されていない限り、警察も行政も彼らの動きを封じ込められない。
これがマフィア化の怖さである。
認定されない若者は元気だ。
「盃事」で成り立つ「上下」の縛りはなく、”仲間”の結束で猛威を振るう。
例えば、朝青龍事件や市川海老蔵事件で有名になった関東連合OBである。暴力団ではなく、暴対法も暴排条例も適用されない。
暴力団が彼らを「盃事」で取り込まず自由にさせているのは、そのほうが使い勝手がいいからで、マフィア化はすでに始まっている。
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