紳助は周知のように吉本興業の所属であり、吉本興業と山口組は戦前から親密な関係にあった。
興行会社はその都度、必要なヤクザと関係を結ぶ全方位外交が基本だが、当時、吉本興業(東宝系)は山口組と、新興キネマ演芸部(松竹系)は籠寅組と関係が深かった。
美空ひばりは山口組とつながりがあったし、北島三郎は稲川会とつながりがある。
鳥羽一郎は住吉会、さらには山本譲二や小林旭、松方弘樹などは今もって交際を止めそうにないとみられる。
吉本興業はなぜ違約金を払ってまで紳助を引退に追いやったか?
7月25日、オバマは日本の「ヤクザ」、イタリア・ナポリを拠点にする犯罪集団「カモッラ」、メキシコの麻薬組織「ロス・セタス」、旧ソ連圏の犯罪組織「ザ・ブラザーズ・サークル」の4組織を指定し、対抗策として米国管轄下にある関係資産を凍結し、米国の団体や個人が取引することを禁じるという大統領令に署名した。
一方、吉本興業は来年創業100周年を迎え、それまでに「世界の吉本」へと羽ばたく青写真を描いている。極心連合会と密着する紳助が吉本の主要芸人だと知られたら、吉本のアメリカ戦略、ひいては世界戦略が瓦解する。多少血が出ても、今紳助を斬らなければ、来年の100周年を迎えられないという焦燥感や危機感があったに違いない。
もちろん、暴排条例に対する見せしめや人身御供的な意味合いもあっただろうが。
紳助事件により、暴力団との交際は損だし、大ごとになるという認識は国民の間に広がり、定着しつつある。紳助は事実上、芸能界を追放されたも同然だし、今後も極心連合会と交際を続ける限り、損を続けることも自明である。
暴力団は現在シノギのネタがなく、とりわけ末端では一般社会以上に金詰りだ。
紳助には押しも押されもしない事業家という誇りがあるだろうが、案に相違してピラニアが群生する川に裸で入ったに等しい。芸能人にはある程度パブリックな要素があるが、芸能人を辞めた以上、暴力団が紳助に遠慮する理由はない。
45億円もの資産を持った金持ちとして骨までしゃぶられるに違いない。
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