ソニーの米映画子会社であるソニー・ピクチャーズエンタテインメント(以下SPE)は11月にサイバー攻撃を受け、社内の機密情報や従業員の個人情報が盗まれた。
さらにハッカーが、ネット上に「01年9月11日を忘れするな」「世界は恐怖に包まれるだろう」というメッセージを掲載、同映画を上映する映画館にテロを示唆し、ついに「ザ・インタビュー」は公開中止に追い込まれる。
SPEが制作したコメディ映画「ザ・インタビュー」は、北朝鮮の最高指導者・金正恩暗殺を扱った内容であり、北朝鮮は今年秋頃からこの映画の封切りに反発を繰り返していた。
オバマ氏は被害を受けたソニーに「同情する」とした上で、「米国では独裁者が検閲できるような社会を認めない」と指摘し、「表現の自由」の観点から、ハッカーの脅しに応じて映画公開を中止したSPEの対応は「間違いだ」とも批判した。
米中枢同時テロと、米国の対テロ戦争の裏側に迫ったマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「華氏911」
当時現職だったブッシュ大統領を徹底的にこき下ろした作品だ。
配給元の映画会社の親会社であるディズニー社は、政治的影響を考えて配給禁止を命じた。
しかし映画は、2004年のカンヌ映画祭で最高賞を受賞。
上映後、賞賛の拍手が25分間鳴り止まなかったという。
国際的な評価を追い風に配給権は売却され、全米での上映にこぎ着けた。
その結果、ドキュメンタリー映画としては過去最高の興行収入を挙げた。
作品への賛否とは別に、時の権力者を笑いのめす表現の自由を受け入れる懐の深さこそが米国の真価であるはずだが・・・
コメントはこちら