今この瞬間の輝きを

‘1993 鈴鹿8時間耐久ロードレース

1993年

’92シーズン途中でレース活動を終えた。
それからちょうど1年後の事。
昨シーズン初戦の「鈴鹿」のレースを見に来てくれた”徳野さん”だが・・・

・・・徳野政樹・・・
カワサキ、ホンダのワークスライダーを務め、TT-F1の全日本シリーズチャンピオンを獲得。
第1回大会から8耐に出場していて、1985年にはW・ガードナーとペアを組み日本人初の優勝を遂げている。
さらに8耐最多出場記録を持つ偉大なライダーだ。

その徳野さんと僕がなぜ知り合いになったか・・・
当時の僕の彼女はスナックを経営していた。いわゆる”ママさん”だ。
そこに徳野さんが飲みに来るようになった。
時間があれば、僕も店の手伝いをしていたため仲良くなった・・・ というわけだ。

ある日、徳野さんと喋っていたら、
「今年の8耐のペアライダーは一応決まっているけど、まだ本決まりではない」と言う。
国際A級級ライセンスを取得した僕にも参戦資格がある。
「俺も走りたい!走らせてよ!!」
「そうかぁ? ほな、自分走るか?」
かくして、僕の8耐参戦が決定した・・・ いいのか?こんな簡単で!?

そうは言っても、レース止めて1年が経った、8耐本番の1~2ヶ月前の出来事だ。
ましてTT-F1など乗ったこともない。

初めて乗ったTT-F1マシンは、物凄いパワーでストレートで休憩することも出来ない・・・
練習時間もしれているし、さすがに乗り方をマシンに合わせるだけの時間はなかった。

徳野さんはとっくに現役は引退していて、好きで出場しているだけの状況。
上位を狙うようなチーム体制ではないプライベートチームだ。
スペアパーツもロクに無いぐらいだから・・・

楽しめればそれでいいのだ♪
それが証拠に、8耐ウィークに入って水曜日ぐらいから荷物をピットに運びだしたのだが、いちばん最初に運んだものは何だと思う? ・・・冷蔵庫で~す

何に使うのか? ・・・ビールを冷やすために決まってるじゃない♪

 

1993.7.23~25
‘1993 鈴鹿8時間耐久ロードレース

予選46位

さすがに、予選タイムは徳野さんに敵わなかった(僕の時は新品タイヤではなかったが・・・)
でも予選2日目のウェットコンディションでは、全体でもそこそこのタイムを記録した。
徳野さんよりも速かった。
実は「雨」は嫌いではなく、むしろ得意な方。
まあ、徳野さんが真剣に走ったかどうかは怪しいが・・・

 

決勝
鈴鹿8耐
当時の写真を探してみたが無かったので、これは今年の写真です

第一ライダーの徳野さんからバトンを受け1回目の走行に出ていく。
まあまあそれなりのラップタイムを刻みながら、ピットインのサインを確認。
ピットロード入口ギリギリまでブレーキングを遅らせると・・・
あららら・・・ 入口を行きすぎちゃいました(-_-;)

もう1周走ってもよかったのだが、「いらぬ心配をかけても」と思い、グリーン上を横切ることに。
そのグリーン上で軽くマシンが傾いた状態でスロットルを捻った瞬間に・・・ コケてました(-_-;)
滑りすぎやろ!

マシンを起こしてピットまで。
損傷個所は・・・ カウルステー、ブレーキレバー、ステップ程度だ。
ところが! 転倒すれば必ず損傷するブレーキレバー、ステップのスペアが無い!?
ええ~、考えられへん・・・(-_-;)
「俊哉~! 〇〇のピットに行ってステップ借りてこい!」
無駄に時間を浪費しつつ、修復したマシンでレース再開。

マシンのパワーがある為、4耐なんかに比べると体力の消耗が半端ない。
ストレートでもマシンにしがみついてないと振り落とされそうになるぐらい。
しかも真夏だぜ。

ピットに帰ってくると、まず汗びっしょりでレーシングスーツが自分で脱げない。
脱ぐのを手伝ってもらい、その後、頭から氷水をぶっ掛けてもらう。
これで頭がスッキリする。
その後は、子供用の小さなビニールプールに入って身体を冷やし、スポーツドリンクをしっかり飲んでバナナを食べる。
今時なら、サプリメントなんかも摂ったりするのだろうが、当時はそんなものは・・・

レース中盤以降、S字入口付近からレコードラインにオイルの筋が!
オイルを避けて走っているうちに、なんと! S字の新しい攻め方が分かった!!
これで今までよりさらに1秒以上ラップタイムが上がる気がする。
(今はオイルで無理だが・・・)

それが証拠に、次の年の「世界GP・鈴鹿」を観に行ってGPライダーの走りをS字で観てみた。
やっぱり・・・ GPライダーも同じように走っていた。
ん~、現役の時だったらな~

アクシデントはその程度で、後は淡々とレースを消化していく。
4耐でもそうだが、毎年熱中症で何人かは運ばれる。
不思議なことに、皆ピットまでは帰ってくる。
ピットロードにマシンを止めた瞬間にズルズルと倒れていく。
気が抜けるんやろうな・・・

そして夕暮れの中、レース終了!

決勝39位

 

う~ん、僕のしょうもない転倒がなければあと10個ぐらい順位は上だったろうに・・・
ごめんちゃい(-_-)

でも楽しかった~
最初に運んだ冷蔵庫のおかげで、練習走行が終わればピットで「プシュー!」
これがまた美味い!

GPライダーの走りも間近で見られたし♪
そうそう、TT-F1マシンのパワーが物凄いと書いたが、ワークスマシンは化け物!
ストレートでマシンから振り落とされないようしがみついてる僕の横を、風のように抜き去っていくワークスマシンたち・・・ ホンマに同じ排気量か?
とても信じられへん・・・
メーカーが何億も掛けて開発したマシンはやはり超弩級であった。

レース終了後は、片付けは後回し、彼女の店を開けて飲んで騒いで歌って・・・
レースにあまり興味が無い人でも”8耐”は結構知っている。
その”8耐”を走ったという事で、僕のレース人生も報われた・・・
徳野さん、ありがとう!

こんな一大イベントなのに、写真は1枚もありません・・・

誰か撮っとけよ(-_-;)

 

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